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小学生の頃。たぶん2年生か3年生か。
一回三百円でテキヤのカブトムシくじ(言ってわかるかな)を引いたことがある。
今時生き物をくじの景品にしたり、(俺からすればひよこ売ってたってことでさえ衝撃なんだけど、)そんなてきやさんなんてほとんど見かけなくなったから想像しづらい人も居るかもしれないけど、良い賞ほど珍しいカブトムシとかクワガタとか大体オスメスセットでもらえて、一番低い賞が国産のカブトムシの幼虫、みたいな内容だった。
当時のキッズ達の間ではムシキング全盛期でそれはもうヘラクレスオオカブトの人気ったらすごかったし、俺もめちゃくちゃ欲しくて、
母親に頼んで三回だけ引かせてもらった。(きっとまた別の機会に話すと思うんだけど、俺の家はめちゃくちゃ貧しくて、こんな下らないくじを三回も引かせてもらえる余裕なんかほんとになかったと思う。今思えばお祭り好きの母がまじで無理して引かせてくれたんだろう)
結果は全部一番低い賞で国産カブトムシの幼虫が三匹。本当にほしくて仕方なかったし、外れたときはすごくガッカリしたけど、それを母にばれないように嬉しい振りをしたのを覚えてる。
きっと子供ながら自分の家の家計状況くらいわかっていたし、そこを無理してくじを引かせてくれた母に悲しい顔なんか見せられないと思ったのかもしれない。
てきやの爺さんが言うには全部オスだから、ちゃんと育てればかっこいい成虫のカブトムシになるぞってことだったので、家の向かいにすんでる1つ年上の幼馴染みに使わなくなった虫かごをもらって、まだ小さいカブトムシの幼虫を土と一緒に三匹入れて、育て始めた。
どんどん育ってきっと次の夏くらいまでだったかな。きちんと土を変えたりして(それくらいしかやることないんだけど)奇跡的に三匹ともさなぎになった時には本当に感動したのをいまだに覚えてるし、角がなくてあのてきやのじじいぶっころしてやる!!ってまじで怒ったのも覚えてる。
で、二匹はきちんとさなぎから成虫(メスの中のメス)になったんだけど、一匹だけどれだけ待ってもさなぎのままで、
何でだろうって思いながら、きっともう少しかかるんだろうって思いながら、ただ、他の二匹のために木とか、ゼリーをいれる関係で土を減らさなきゃいけないときに一緒に外に捨てた。
捨てたと言うか、埋めた。
同じ環境で同じタイミングでギリギリのところまで来て、
それでもなにかになれる個体と、なんにもなれない個体がいるんだってはっきり思い知らされた。
虫が嫌いだったのに、
金がないのに、
くじを引かせてくれた母のためにも、
嫌いな虫でも、ちゃんと三匹とも成虫になったところを見せてあげたかった。
その頃には母は、俺の育ててるカブトムシに関与してこなくなったので二匹しか成虫にならなかったことは伝えなかった。
埋もれたくない。
一人じゃどうにもならんことばっかだけど仲間に押し上げてもらって。仲間を押し上げて。
本当に埋もれたくないんだ。
長くやるだけじゃだめなんだ。
今しかないんだ。
そういう1年にしたい。
つぎのライブは日付変わって本日!
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シンゴマーティンさんのリリースパーティー!!
トップバッター!
一番最初に届ける音が最後まで鳴ってるようなそんなのを届けたい。
遊びに来てください!